あいちのカワウはどこへ出て行ったか

(愛知県放鳥個体の県外移動例)


愛知県では1986年以来、1456羽のカワウに カラーリングを付けて放鳥してきた。各地から観察情報が寄せられ、県外からも延べ84例の情報が5県から得られた。
このうち、刻印を読み取り確実に個体識別されたものは、37羽、66例であった。
この37羽について、放鳥後の県外移動先、移動時期、その後愛知県に戻ったかどうかに注目し地図と表を作成してみた。

愛知県外観察地点位置図

放鳥地別に色分けしたを1例として、カワウが観察された場所(A-K)に示した。

A:三重県鈴鹿市石垣池
B: 〃 桑名市、木曾岬町
C:静岡県浜名湖周辺(新居、舞阪、浜松)
D: 〃 馬込川河口、芳川ねぐら
E: 〃 太田川、磐田市
F: 〃 安倍川
G: 〃 修善寺町
H:神奈川県相模原市
I:千葉県市川市行徳
J:富山県富山市、婦中町
K: 〃 大門町



移動一覧表(移動先・放鳥地・移動時期)
初めて愛知県外で確認された時期に○を、
その後に愛知県に戻った事が確認された時期に●を付けた。

*37羽のうち26羽が、放鳥後1年未満に県外で確認されている。

*内3羽 (No.4、36、37) は、その初めての確認記録が駆除や斃死などの回収記録であった。

*残った34羽のうち16羽は、県外で確認されたのち、再び愛知県に戻った。一度戻った愛知県から再び静岡県(D地点)に出た個体(No.18)も1例だけが記録されているが、この表には記入しなかった。

移動先の静岡県で繁殖しているのが確認された個体(No.6)や、放鳥後長く愛知県に居た?であろう個体が11年目に突然富山県に移動する(No.35)など、まだまだ驚かされる事ばかりである。


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