カワウの記録04年


2004年1月-12月に書き込まれた情報


2004年12月19日、午後1時頃、大阪府茨木市宮島3丁目の安威川、中央環状上流付近(新幹線公園近く)にて足輪付きのカワウを見ました。右足に銀色リング、左足に緑色リングでP9と刻印がありました。羽装は成鳥非繁殖羽と思います。長い間樋門の上にとまっていましたが、安威川本流の方に飛び去りました。その辺りは、カワウは多くないのですが、恒常的に見る事が出来ます。HPの写真を見て関西の青色リングとは明らかに違うものと感じます。青色リングの変色でもないものと思われます。(観察者、若杉みちよ、大阪府) [緑P9?]

緑色P9は残念ながら存在しない。1986年に佐藤先生(名大)が[P1]から[P8]まで放鳥しているので、そのうちのどれかの見間違いかもしれない。Pは他の文字との見間違えはなさそうだが、。左右の脚の装着形式、二桁であることから、とにかく愛知県知多郡美浜町菅苅池放鳥の個体である事は確かであると思われる。知多から西方に出た、もっとも遠い記録、という事になる。もし、1986年産の個体であるなら、18歳の生存確認となる。お送り頂いた写真にカラーリングがついていなかったのは本当に残念。

草野池の [白H/D] のその後。

11/21に発見したとの連絡を受けて、翌11/22に草野池に出かけました。10時の到着時点に連絡とおりの木の上にとまっていました。古澤さんを真似てデジカメで撮影。
さらに、11/28にもでかけ、午前中はいなかったものの13時に同じ木の上にいました。いつもいるものと油断していましたが、その後の12/2、12/13、12/16、12/22と不在。池の中にいるカワウの数も徐々に減っている様子で、どうやら [白H/D] は居場所を変えたらしい。どこかその近くにいるのか。営巣のため 繁殖地に移動したのか? (観察者、黒い鳥、他)  [白H/D]

2004年11月24日、11時頃、山梨県市川大門町四尾連湖にて、白リング付きカワウを観察しました。双眼鏡が無かったのではっきりしませんが、リングには黒い線が3本あるように見えます。おそらく成鳥だと思います。湖の水面に浮いたり、倒木に乗ったりしていました。このリング付き個体は1年ほど前から1−2羽で同地に飛来するようになりました。(観察者、坪井潤一、山梨県甲斐市) [白lリング?記号不明]

2004年11月21日、9時、愛知県刈谷市の草野池でリング付きカワウを発見。池では30羽ほどが餌採りや羽乾かしをしていました。池東北にある2本の枯れ木にとまる15羽のカワウの中に、白いリングを左に、金属リングを右足に付けた1羽を見つけ写真撮影しました。(観察者、古澤穎一、名古屋市在住) [白H/D]

2004年10月10日、午後3時頃、愛知県豊橋市杉山町の紙田川河口貯木場にある平均台状の構造物の上に居た50羽程のカワウの中に3羽のリング付き個体を確認しました。いずれも左脚に白色のリングを、右脚には金属リングを付けていました。3羽の詳細、以下のとおり。
(1) 脚の付け根側から [M/S] と読めた。観察していた30分間、ずっと落ち着いて休息していた。
(2) 脚の付け根から [V/N] と読み、15分ほど休息していたが、群から離れてどこかへ飛去した。
(3) 脚の付け根から [9K] と読んだ。 [9/K] だったかもしれない。休息していたが発見後15分で一旦飛去し、30分位で再び元の構造物の上に戻る。しかし1−2分後には又どこかに飛去した。(観察者、山本晃一、大阪市在住)
 [白M/S] [白V/N] [白9/K]
 
[9/K]は97年、[M/S]は2001年、[V/N]は2004年の田原コロニー放鳥個体。いずれも紙田川河口のこの貯木場や近くの養魚池でよく観察されていた個体である。田原コロニーから近く、巣立ちした個体の多くがここで確認される他、繁殖している親鳥もここで休憩しているのが見られる。

2004年09月23日、16時、愛知県田原市トヨタ自動車田原工場内の鉄塔の横桁(塒になっている)で、左脚に橙色リングが付いたカワウを確認した。リングには白文字で上から[E、線、6]と刻印されていた。右脚にはヒレ付きメタルリングが装着されていた。(観察者、石田郁代、石田朗) [橙色E/6]

このリングは2004年に静岡県浜松市の中之郷コロニーで北川捷康、川合正晃、武内万由美の各氏が標識放鳥したものであった。同コロニーは浜名湖畔の破棄された養鰻池の土手で潅木に営巣しているらしい。静岡県放鳥カワウにはこの記録のように橙色のリングが付されている。

2004年05月24日、静岡県浜松市新居町中之郷にて、白色リング付きのカワウを発見。リングの記号は[Z、線、S]と読めた。(観察者、菅沼悌二、北川捷康) [白S/Z]
2003年に愛知県田原市緑浜コロニーで石田氏が放鳥した[白S/Z]と思われる。[白Z/S]は作成していない。田原コロニーでは上から(体側から足先へ)読む形式にしているが、付け間違いや読み間違いがあり得るので、逆読みの可能性のあるリングは付けないようにしている。カラーリングの記号を読んだときには、その場で図を書いておく事をお勧めします。はっきり全体が見えず一部分だけの観察だった場合も図によって刻印が確定できた場合もありました。

2004年05月31日、神奈川県川崎市の等々力緑地にて就塒カウント中、右脚に緑色リング[線、E、0]をつけたカワウを確認した。この個体は2003年6/3、6/11、7/31にも同じ緑地内で観察している。この日、18時30分までカウントして、57羽が塒入りしたのを確認したが、この数字は昨年同時期の半分ほどになる。塒は50mプール位の広さの小さな島で、コサギ、ダイサギ、ゴイサギが繁殖している。(観察者、安井啓子) [緑/E0]
野鳥の会本部の加藤氏経由で得られた情報である。氏によれば、この個体[緑/E0]は、1999年01月03日、2003年03月、04月と同県相模原市の沈殿池で観察されていた。その後5週間経過して今回の川崎市に現れ、上記のようにこの地を塒としているらしい。記録の日付に冬季がないのが気にかかる。

2004年05月15日、15時15分、愛知県幡豆郡一色町のさかな広場先のテトラ堤防上に106羽を数えた。その中に緑色リングを付けたカワウ2羽を発見したが、記号は見えなかった。ただし装着形式はそれぞれ違っていた。1羽は右脚に赤色コイルリングとメタルリング、左脚に緑カラーリング。他の1羽は左脚に緑色カラーリングがあり、記号は読めなかったが上側に線が付いていた。
(観察者、齊藤、高柳、新妻、阿部、岩崎) 
[アカコイル-緑**] [緑/**]
アカコイルをメタルリングの上につけた緑色リング付きカワウは、弥富野鳥園で放鳥された個体である。本年1月にこの近くで[アカコイル-緑022]が観察されている。もしかすると同じ個体であったかもしれない。左脚緑上線付き個体は96年以前に知多郡美浜町菅苅で放鳥された個体である。

2004年5月15日、15時30分、愛知県幡豆郡一色町の竹生塒にて観察していたところ、カワウが営巣していた。2巣で、親が座り込んでいるのを確認した。この数年、時々塒の観察をしていたが、繁殖確認は初めてのことではないかと思う。(観察者、齊藤、高柳、新妻、阿部、岩崎) [繁殖確認]

6月に再度確認に出かけたところ、巣の形跡もなく、繁殖は途中放棄となった。こういう一時的な営巣活動は時々見られる。本格的な繁殖開始の兆しなのか、単なる偶発、一回のみなのか。継続観察を要す。

緑リングカワウを今年も放鳥しました。
2004年、愛知県弥富野鳥園にて、標識調査を実施した。昨年と同様の形式でカラーリング、コイルリングを装着した巣内の雛16羽を巣内に戻した。

2004年、愛知県美浜町菅苅池畔でも、標識調査を行い、22羽の放鳥を記録した。菅苅池の装着形式は、今年から新シリーズで3桁となった。上からA、0、1と[英字、数字、数字]で刻印している。

白リングカワウも放鳥。
2004年、愛知県田原市緑浜でも、標識調査実施。計94羽の雛に標識した。昨年と同様の装着形式で、中央線付きで英字、英字の組み合わせ。菅苅池の時と同じ様に、名城大学の新妻先生と学生数人が参加された。このお陰で今年の標識作業が非常に楽でした。カワウ達にかわり御礼申し上げます。

今後、これらの個体が野外で観察されるようになります。 [放鳥]

2004年02月25日、午前09時、奈良県御所市東辻池にて、[緑08Y]を確認した。(観察者、熊木桂三) [青コイル-緑08Y]
<JCBG>からの連絡により、得られた情報である。この個体は2003年から始められた三重県での標識調査で放鳥されたもので、右脚にメタルリングと青コイル、左脚に緑色カラーリングが装着されている。カラーリングの刻印は数字2桁と英字の組み合わせとなっている。

2004年02月08日、午後1時から午後3時、千葉県市川市行徳自然保護区にて、人工巣台の上に[白H/N]を確認した。巣も相手もいないが、盛んにディスプレイしていた。(観察者、加藤七枝) [白H/N]

2004年01月25日、午後3時15分、愛知県幡豆郡一色町竹生新田の堤防内側で、カラーリングを付けたカワウ2羽を観察しました。
1, 右脚には赤いコイルリングがメタルリングの上についており、左脚に緑リング、記号は[0、2、2]と読めました。体色は茶色で胸はゴマダラ状の白っぽい感じ。堤上の木の枝先にとまり、強風で不安定。
2, 左脚にメタルリング付きのカワウが、堤下の水面に近い岸辺に。白髪の成鳥で、右脚には薄い茶色か汚れた黄色のコイル状のものが3重になって付いていました。内側部分は被覆がはがれて中の細い線が見えてかなり古い感じ。重なった部分が少し赤く見えました。数年前に同所で確認した[RRR]ではないか、と思われます。(観察者、高柳) 
[赤コイル-緑022] [RRR-2Rm]

赤コイル付き緑[022]は、昨年愛知県海部郡弥富野鳥園で放鳥されたものである。
[RRR]は1987年東京都台東区不忍池で放鳥され、1992年07月14日に愛知県知多郡菅苅池で発見された後、同じ菅苅池や幡豆郡一色町で何度も確認されていた。この1年ほどは見られず、どうなったか心配していたが、16年以上を経てなお健在。しかし、まもなくコイルリングが落ちてしまいそうな気配である。左脚の赤コイル2本は数年前から本数を減らし、結局無くなってしまっていた。

2004年01月18日、15時35分-16時30分、愛知県知多市佐布里池(そうりいけ)で、南西端の岸にカワウの塒を確認した。営巣も確認。(日没17時05分)
200-300mにわたり糞で白くなった雑木林に、約750羽がとまり20巣程が見られた。内少なくとも1巣には親が座り込んでいた。
噂では、平成14年から繁殖しているという。確かに複雑な形のこの池はカワウの繁殖地として絶好。対岸の雑木林へ回り込み、岸から水辺に降りて、漸くコロニー全体を見ることができた。普通の人は まず気が付かないだろう。気が付いてもここまで入らない。まだ明るかったので、糞の汚れも考慮して、1000羽程度の塒だろうと思う。(観察者、平和公園センサスグループ==池田、木野、齊藤、高柳、波川)
 [塒、営巣]

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